シンガポールの銀行の方が日本の銀行に預けるよりも利率が良いと言いますが、何もしない場合は日本と大して変わりません。各銀行が主に給与振込先に指定した場合に専用の口座を開くことで優遇金利を設けています。
DBS Multiplierの特徴
- DBS/POSB銀行で取扱う一般的な口座
- 給与振込がDBS/POSB銀行であれば必ず申し込むべき口座。
- 給与(配当)振込があり、月々の利用合計金額がS$2,000以上で金利が優遇される。
- 各カテゴリーでの必要最小利用額はない。
- 29歳以下ならば買物でのPAYLAH!利用で優遇金利が適用される。
実際どれくらいの金利がつくのか
一般的な月額S$2,000(約16万円)~S$15,000(約120万円)の給与振込だと0.70%~1.90%の優遇金利となる。(下記表参照) https://www.dbs.com.sg/personal/deposits/bank-earn/multiplier
この優遇金利も景気に影響されて変化するので実際の金利がいくらかは銀行のサイトを確認することをおすすめする。COVID-19の影響を受けて金利がかなり下がったことの記録として2020年7月までの優遇金利の表も併せて載せておく。
給与(配当)振込+1カテゴリー(優遇金利0.70%~1.20%(1.30%))
S$10,000あたり年間S$70~S$120(130)の利息が付く。S$25,000まで金利が優遇されるので、年間最大S$175~S$300(325)利息が付く。
給与(配当)振込+2カテゴリー(優遇金利1.30%~1.90%(2.80%))
S$10,000あたり年間S$130~S$190(280)の利息が付く。S$50,000まで金利が優遇されるので、年間最大S$650~S$950(1400)利息が付く。
給与(配当)振込+3カテゴリー(優遇金利1.30%~2.20%(3.30%))
3カテゴリー以上となった場合は少し複雑になるので注意。始めのS$50,000までは2カテゴリーまでの優遇金利となり、S$50,000を超えた分が3カテゴリーの優遇金利となるため、実際の金利は1.30%~3.30%となる。クレジットカード利用と投資のほかに住宅ローン、保険を入れる日本人は英語にもシンガポールにも私なんかよりもよっぽど精通していると思われるので、ここでは割愛する。
給与(配当)振込+クレジットカード利用+投資商品+保険+住宅ローン
月々の利用合計金額 | 給与振込+1カテゴリー S$25,000まで適用 | 給与振込+2カテゴリー S$50,000まで適用 | 給与振込+3~4カテゴリー S$100,000まで適用 |
< S$2,000 | 0.05% p.a. | 0.05% p.a. | 0.05% p.a. |
≧ S$2,000 to < S$2,500 | 0.70% p.a. | 1.30% p.a. | 1.30~1.65% p.a. (2.00% p.a.) |
≧ S$2,500 to < S$5,000 | 0.90% p.a. | 1.50% p.a. | 1.50~1.85% p.a.(2.20% p.a.) |
≧ S$5,000 to < S$15,000 | 1.10% p.a. | 1.80% p.a. | 1.80~2.10% p.a. (2.40% p.a.) |
≧ S$15,000 to < S$30,000 | 1.20% p.a. | 1.90% p.a. | 1.90~2.20% p.a. (2.50% p.a.) |
≧ S$30,000 | 1.30% p.a. | 2.80% p.a. | 2.80~3.30% p.a. (3.80% p.a.) |
2020.08~
月々の利用合計金額 | 給与振込+1カテゴリー S$25,000まで適用 | 給与振込+2カテゴリー S$50,000まで適用 | 給与振込+3~4カテゴリー S$100,000まで適用 |
< S$2,000 | 0.05% p.a. | 0.05% p.a. | 0.05% p.a. |
≧ S$2,000 to < S$2,500 | 1.40% p.a. (-0.70%) | 1.80% p.a. (-0.50%) | 1.30~1.90% p.a. (2.00% p.a.) |
≧ S$2,500 to < S$5,000 | 1.60% p.a. (-0.70%) | 2.00% p.a. (-0.50%) | 2.00~2.10% p.a.(2.20% p.a.) |
≧ S$5,000 to < S$15,000 | 1.80% p.a. (-0.70%) | 2.20% p.a. (-0.40%) | 2.20~2.30% p.a. (2.40% p.a.) |
≧ S$15,000 to < S$30,000 | 1.90% p.a. (-0.70%) | 2.30% p.a. (-0.40%) | 2.30~2.40% p.a. (2.50% p.a.) |
≧ S$30,000 | 2.00% p.a. (-0.70%) | 3.50% p.a. (-0.70%) | 3.50~3.65% p.a. (3.80% p.a.) |
~2020.07
各カテゴリ―詳細
必ず必要となる条件
- 給与(配当)振込
給与振込
振込額がいくら大きくても取引参照コードが’SAL’ or ‘PAY’で、取引明細で’GIRO Salary’ もしくは ‘Salary’となっていないと条件を満たさない。
配当振込
配当金はCentral Depository Pte Ltd(CDP)、DBS Vickers Securities、DBS Online Equity Trading(OET)、DBS Unit Trusts、DBS Online Funds Investing、DBS Invest-Saveにからのもので、個人または共同のDBS / POSB普通預金/当座預金、DBS Wealth Management Account、Supplementary Retirement Scheme(SRS)アカウント、およびCPF Investment Account(CPFIA)のいずれかに入金される必要があります。
1つ以上必要となる条件
- クレジットカード利用
買物で利用すること。入金や送金は含まれない。追加(家族)カードでの利用も主カードでの利用として認められる。外国人は年間収入S$45,000という条件があるが、口座の残高次第では緩和されることもあるので、”POSB Everyday Card”、”DBS Live Fresh Card”あたりの申請しやすいカードで試してみても良いかもしれない。
- 投資商品
口座開設後、新たに購入したDBS Invest-Saverに有効。
新規にInvest-Saver planで購入されたUnit Trusts (UT) もしくは Exchange Traded Funds (ETF)は最初の12か月のみ有効。
CPFまたはSupplementary Retirement Scheme(SRS)からの購入は無効。
- 保険
口座開設後契約した始めの12か月分のみが対象。
- 住宅ローン
新規および既存のDBS / POSB住宅ローン、別の銀行/ HDBからの新規購入または借り換えに有効。共同名義の場合は3人まで対象とする。
DBS Multiplierのメリット・デメリット
メリット
- 給与振込があり、月々の利用合計金額がS$2,000以上とハードルは低めである。
- 各カテゴリーでの必要最小利用額はないので、給与振込でS$2,000以上を満たしていればカテゴリーの一つであるクレジットカードの利用はS$1でも条件を満たすことになる。
デメリット
- デビットカードでの支払いでは条件を満たさないので、クレジットカードを作る必要がある。
- 駐在で日本円を現地通貨にして振込んでもらっている場合、小切手等での振込となり、給与振込とならない場合がある。その場合この口座の恩恵を得られない。振込額がいくら大きくても取引参照コードが’SAL’ or ‘PAY’で、取引明細で’GIRO Salary’ もしくは ‘Salary’となっていないと条件を満たさない。
給与振込がなくても優遇金利を得る方法
給与振込がなくても、配当が入ってくる場合条件を満たすようである。クレジットカードの利用が毎月S$2,000以上になって配当がS$10でもあれば優遇利率の恩恵を受けられるかもしれない。この場合、毎月投資をして毎月配当があり毎月クレジットカード取引があるとなると3項目満たすことになるので、給与振込がなくても試してみる価値があるかもしれない。
29歳以下の人のための特別ルール
クレジットカードがなくても給与振込と買物をする際にPAYLAH!を利用することで利率が少し良くなる。この場合の優遇利率は0.30%上限はS$10,000までである。給与振り込みがある場合は月々の利用合計金額がS$500以上で0.50%となるようである。アルバイトなどの給与振り込みを想定しているのかもしれない。クレジットカードが作れなかったという場合の救済措置であろうか。
今回の29歳以下に適用されるルールは2020年8月から適用された新制度になるようだ。